ラプラス変換をこの1記事でざっと勉強しよう

今回は工学系の大学生が習うであろう”ラプラス変換”について解説する

この記事は大学院入試、いわゆる院試を受ける工学部の学生や、

期末テストを控えている工学部の学生向けである。

まずは全体像を掴もう!

まずラプラス変換の全体像を掴もう!

何事も「とりあえず勉強しろ!」って言われて

公式を覚えたり計算方法を覚えたりするの嫌だよね?

だからラプラス変換とは簡単に言うとこんな感じで、こんな目的で使われて、、

っていうざっくりとした話をする。

そうすればこれから何を勉強すればいいのか方針が立てやすくなる。

だから「森を見てから木を見よう」これがこの記事の流れである。

ラプラス変換って何?

ラプラス変換って何?

まずこれをはっきりさせておく。

ラプラス変換とはラプラスさんが作った”変換”の事である。

何を変換するかと言うと関数を変換する。

そしてラプラス変換の定義を下に示す。

 

ラプラス変換の定義
$ F ( s ) = \int _ { 0 } ^ { \infty } f ( t ) \mathrm { e } ^ { – s t } \mathrm { d } t $

よくわからないかもしれないが、積分を使って$f(t)$という$t$の関数を$F(s)$という$s$の関数に積分を使って変換する事

これがラプラス変換。

式の丸暗記はあまり良くないがラプラス変換の中ではこの式だけは絶対覚えてほしい

何故なら

①この式こそがラプラス変換の定義だから

②この式だけ覚えていれば解ける問題もあるから

ラプラス変換の意味、目的、意義

ではなんで関数をわざわざ積分して新たな関数にする必要があるのか気にならないだろうか?

あとラプラス変換ってなんのためにあるのか?

ここら辺を解説する。

ラプラス変換の意義
ラプラス変換をすることによって、

微分方程式が解きやすくなる。

微分方程式とは、

$ \frac { d y } { d x } = 2 x $とか

$ \frac { d y } { d x } = y $みたいな式のことである。

まあこれくらいなら計算で解ける。

$ x ^ { \prime \prime } – 2 x ^ { \prime } + 2 x = t e ^ { t } $

では上の式はどうだろう。

ちょっと手計算じゃ難しそうだ、、

こういう問題でラプラス変換が大活躍する。

ラプラス変換を使って微分方程式を解く流れは以下のようになる。

微分方程式を解く流れ
  1. 微分方程式をラプラス変換して簡単な方程式(補助方程式)にする
  2. 補助方程式を代数的に解く
  3. 補助方程式の解をラプラス逆変換して、求めたい解を求める

1のラプラス変換することは

ラプラス変換表やルールを知っていれば簡単に行うことが出来る。

2の「代数的に解く」ってなんだ?思うかもしれないが

これがラプラス変換の一番のメリットである。

「代数的に解ける方程式」とは、➕➖✖️➗を使って計算すれば解けるような

特殊な演算を使わなくても解ける

要は簡単な方程式のことである。

またラプラス変換した方程式は元の方程式を解くための補助的な存在なので

”補助方程式”と呼ばれる。

この補助方程式の解を出して、

最後にラプラス逆変換をして元どおり♩ってわけだ。

図解するとこんな感じ。

ラプラス変換はあえて遠回りをして微分方程式を解く。

いわば裏ルートである。

遠回りをしていて無駄に思えるが、

この裏ルートの方が簡単に解くことができる。

そもそも微分方程式は重要なのかって話だが、めちゃめちゃ重要だ

工学の世界では

自然現象を再現したり、コンピュータ上で表現することを目標にする。

そしてそれを基にモノを作ったり、設計したり、情報を提供する。

しかし自然現象は非常に複雑なので、「モデル化」する必要がある。

このモデル化の際、微分方程式が用いられる。

ロジスティックモデル

例えば、人口$N(t)$が時間によってどう変化するかについて簡単なモデルがある。

$ \frac { d N } { d t } = \left( 1 – \frac { N ( t ) } { k } \right) N $

これをロジスティック方程式と言う。

要は工学系において微分方程式めっちゃ重要!!!ってことである。

そして微分方程式を解くためにラプラス変換は存在する。

ラプラス変換の応用例として電気回路の方程式を解いたり

制御工学という入力と出力を持ったシステムを制御する手法を学ぶ学問で使われる。

だから工学の中でも電気系の学生は特に大事な学問だと思う。

フーリエ変換との違い

変換!!!といえばーー?せーの!

ってほとんどの人が答えそうである笑。

ラプラス変換とフーリエ変換の式を見比べてみよう。

ラプラス変換とフーリエ変換

ラプラス変換:$ F ( s ) \\= \int _ { 0 } ^ { \infty } f ( t ) \mathrm { e } ^ { – s t } \mathrm { d } t $

フーリエ変換:$ F ( \omega ) \\= \int _ { – \infty } ^ { \infty } f ( t ) e ^ { – i \omega t } d t $

両者を比べると、結構似てるのではないだろうか?

なぜかというと、ラプラス変換はフーリエ変換を発展させた学問だから

しかし両者の使い道はそれぞれ異なる。

ラプラス変換は先ほど言った通り、微分方程式を解くことが主な目的である。

フーリエ変換は、時間$t$の関数を周波数$\omega$の関数に変換することが目的で、音波や電波に関する現象に深く関わってくる。

そして両者の共通点は常微分方程式や偏微分方程式が解きやすくなる点だ。

どちらを勉強していても最終的には常微分方程式、偏微分方程式を解く練習をする。

ラプラス変換勉強の流れ

では勉強の流れを示そう。

ラプラス変換の勉強の流れ

①ラプラス変換の定義と簡単な計算

②ラプラス変換の8つの性質

③ラプラス逆変換

④微分方程式を解く

そしてこれら一連の流れの中で問題演習をすることが大事である。

慣れだ。とにかく慣れよう。

ラプラス変換の定義と良く出る例

ラプラス変換の定義を再度おさらいしておこう。
$ F ( s ) = \int _ { 0 } ^ { \infty } f ( t ) \mathrm { e } ^ { – s t } \mathrm { d } t $
でしたね。

では簡単な具体例を通して理解を深めよう。

一番簡単な例 f(t)=1

$ \int _ { 0 } ^ { \infty } e ^ { – s t } 1 d t = \left[ \frac { – 1 } { s } e ^ { – s t } \right] _ { 0 } ^ { \infty } \\ = \frac{1}{s} $

↑一番簡単なのは変換したい関数$f(t)$が1の時だ。

この場合、変換した結果   $\frac{1}{s}$    になるのでこれは必ず暗記しよう。

良く出る例:cosωtのラプラス変換
$ I = \int e ^ { – s t } \cos \omega t d t $ とおき、2回の部分積分を繰り返す

$ \left. \begin{array} { l } { I = \frac { 1 } { \omega ^ { 2 } } \left( \omega e ^ { – s t } \sin \omega t – s e ^ { – s t } \cos \omega t \right) – \frac { s ^ { 2 } } { \omega ^ { 2 } } I } \\ { \therefore I = \frac { 1 } { s ^ { 2 } + \omega ^ { 2 } } e ^ { – s t } ( \omega \sin \omega t – s \cos \omega t ) } \end{array} \right. $

$ \lim _ { T \rightarrow \infty } [ I ] _ { 0 } ^ { T } = \frac { s } { s ^ { 2 } + \omega ^ { 2 } } $

コサインのラプラス変換も良くでる。

難しそうだが、部分積分を2回やるだけだ。暗記しよう。

ラプラス変換の8つの性質

ラプラス変換の計算では定義式からいちいち計算をする訳ではない。

ラプラス変換に備わる性質がいくつかあってそれらを覚える。

そしてそれらいわば”公式”を使って計算する。

またここから、$F( s ) = L( f( t ) )$ とする。

補足
ラプラス変換に関するいくつかの公式はとにかく暗記でいいと思う。

公式を暗記するなとは良く言われるが、

ラプラス変換の教科書を見ても、証明を省略している教科書は少なくない。

院試や期末テストでラプラス変換の公式集を配布されるところも多い。

要は実用できればいいということだ。

だからテストで公式集が配布されるのならば覚えなくていいし、

覚えるとしても、数個しかないので丸暗記しよう。頑張ろう!!

では8つの性質を一気に列挙しよう!

線形性

$ L ( a f ( t ) + b g ( t ) ) = a F ( s ) + b G ( s ) $

相似性

$ L ( f ( a t ) ) = \frac { 1 } { a } F \left( \frac { s } { a } \right) $

移動法則

$ L ( f ( t – a ) ) = e ^ { – a s } F ( s ) $

像の移動法則

$ L \left( e ^ { b t } f ( t ) \right) = F ( s – b ) $

微分法則

$ L \left( f ^ { \prime } ( t ) \right) = s F ( s ) – f ( 0 ) $

$ L \left( f ^ {\prime\prime } ( t ) \right) = s ^ { 2 } F ( s ) – f ( 0 ) s  – f ^ { \prime } ( 0 ) $

像の微分法則

$ L ( – t f ( t ) ) = \frac { d } { d s } F ( s ) $

積分法則

$ L \left( \int _ { 0 } ^ { t } f ( x ) d x \right) = \frac { 1 } { S } F ( s ) $

畳み込み

$ L ( f * g ) = L ( f ) L ( g ) $

ぱっと見、「はあ?」と思うかもしれないけど、

1つ1つ計算して確かめることも出来る。けど暗記でもいいんだ。安心しなはれ。

またラプラス変換表というものがよくテストなどで配布される。

以下のようなものだ。

↑にあるものはよく出てくる。だから覚えておくと良いと思う。

ラプラス逆変換とは

ラプラス逆変換は簡単だ。

$F( s )$ を $f( t )$ に戻す作業のことを言う。

また$ f ( t ) = L ^ { – 1 } ( F ( s ) ) $と表記する。

そして戻し方だが、簡単な例を暗記したり、ラプラス変換の性質を駆使して

頑張って戻す笑。

例題を見るのが一番良いでしょう。

次のラプラス逆変換を求めなさい

【問題】$ \frac { s } { ( s – 2 ) ^ { 2 } + 1 } $
【解答】$ L ^ { – 1 } \left( \frac { s } { ( s – 2 ) ^ { 2 } + 1 } \right)  \\ = L ^ { – 1 } \left( \frac { s – 2 } { ( s – 2 ) ^ { 2 } + 1 } + \frac { 2 } { ( s – 2 ) ^ { 2 } + 1 } \right) \\ =  e ^ { 2 t } ( \cos t + 2 \sin t ) $

ラプラス逆変換を求める際、重要なのは

関数を分解すること

公式のどれかに似ていると気づくこと

この2つである。

全てに当てはまることではないが分数の関数だったら、

部分分数に展開すれば上手くいくことが多い

微分方程式を解こう

ラプラス変換は微分方程式を楽に解くために作られた。

実際に解いてみよう。

例題:RL直列回路の電流を求める

起電力Eと、抵抗Rと自己インダクタンスLの直列接続とからなる回路である

t=0 のときスイッチを入れたとき、回路に流れる電流が求めよう。

【解答】

①回路方程式を立てる

$ E = R i + L \frac { d i } { d t } $

↑の式をまず立てよう。$i$とは電流のことだ。

これは電磁気学の知識が必要である。わからなければ電磁気学を勉強しよう。

②回路方程式をラプラス変換する

この例題の場合、ラプラス変換したい関数とは$i(t)$のことだ。

だからEやRやLは定数と考える。

また公式やラプラス変換の性質を利用して式全体を変換しよう。

③代数的計算で$I(s)$を求める

$i(0)$とはスイッチを入れる前の電流のことでこの時電流は流れないので

$i(0)=0$である。

微分や積分の知識がなくても、

ただ移項したり、掛けたり割ったりするだけなので計算が簡単だ。

④ラプラス逆変換する

これで答えが出た!!!

ラプラス変換のルールさえ知って入ればこんな問題も解ける。

簡単でしょ??

そしてグラフで表すと下図のようになる。

どうでしたか?以上で大体の解説は終わりだ。

上の例は比較的簡単なので手計算で解くこともできる。

しかしラプラス変換の知識があれば簡単に解を求めることができた。

工学部が学ぶ数学として、

フーリエ変換、線形代数、複素関数など色々あるが

ラプラス変換はそれほど難しくないと思っている。

だが「これは何だ。何を勉強させられてるんだ。」となりがちなのが

このラプラス変換。だからそこらへんを最初にみっちりと解説した。

テストのアドバイス

テストでいい点を取るためには、

  1. 簡単な例と8つの法則を暗記する
  2. 実際に問題を何個か解く

これで良いと思う。

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